辨 |
Polygonatum falcatum には、次のような変種がある。
ナルコユリ var. falcatum
ヒュウガナルコユリ var. hyugaense
マルバオウセイ var. trichosanthum
ホソバナルコユリ var. tenuiflorum
|
アマドコロ属(ナルコユリ属) Polygonatum(黃精 huángjīng 屬)の植物については、アマドコロ属を見よ。 |
訓 |
「和名鳴子百合ハ其花ノ相並ンデ下垂セル狀ニ基ク」(『牧野日本植物圖鑑』)。
その花の「初生ハ脣ヲ收メタルガ如シ、故に、古名ヲ笑草(ヱミグサ)トイフ」(『言海』)。なお、アマドコロにもエミクサの別名がある。 |
漢名黃精(コウセイ,huángjīng)は、李時珍『本草綱目』(ca.1596)の釋名に、「坤土の精粹を得るを以て、故に之を黃精と謂う」と。 |
『本草和名』黄精に、「和名阿末奈、一名也末恵美」と。
『倭名類聚抄』黄精に、「和名於保恵美、一云夜末恵美」と。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』8 に、「オホヱミ和名鈔 ヤマヱミ同上 ナルコユリ ササユリ サゝカンザウ ツリガネサウ丹波 ツユクサ地錦抄」と。
岩崎灌園『本草圖譜』(1828)に、「偏精(ヘンセイ) なるこゆり」と。 |
説 |
本州(関東以西)・四国・九州・朝鮮に分布。 |
誌 |
中国では、カギクルマバナルコユリ Polygonatum sibiricum(黃精)・ウンナンナルコユリ P.kingianum(西南黃精)などの根茎を黃精(コウセイ,huángjīng)と呼び、薬用にする(アマドコロの誌を見よ)。
|
日本では、生薬オウセイ(黄精)は ウンナンナルコユリ、 カギクルマバナルコユリ又はナルコユリの根茎を、通例、蒸したものである(第十八改正日本薬局方)。 |